日本版のナショナルジオグラフィックを暇つぶしに見ていたところ、三島和夫さんへのインタビューから書かれた、「良質な睡眠のための12の指針」という記事が良かったのでメモしておきます。
三島和夫さんは、人の睡眠・体内時計の調節のメカニズムや睡眠覚醒障害の診断療法の開発を専門としている方で、2012年9月三島和夫医師の研究グループは、世界で初めて睡眠・覚醒リズム障害の発症に体内時計の周期の異常が関連していることを発表しています。
いわば、睡眠のスペシャリストなわけです。
一般向けにも、
・「睡眠と覚醒 最強の習慣」などなど、多数の書籍を出版されてます。
そんな三島さんの提唱する「良質な睡眠のための12の指針」は、厚生労働省の「睡眠障害の診断・治療ガイドライン」に基づいているそうです。
では、早速。
良質な睡眠のための12の指針
①.睡眠時間は人それぞれ。日中の睡眠時間で困らなければ十分
三島さんいわく、
自分の日中のパフォーマンスが悪くならない睡眠時間が最適
とのこと。「8時間は寝ろ!!」なんてことをよく耳にしますが、必要睡眠時間は人それぞれというわけです。
これについては以前紹介した「睡眠負債を計測するチェックリスト」と同じ考えですね。
結局のところ、
・必要睡眠時間は主観で判断するしかない!
ということです。
②.刺激物をさけ、眠る前には自分なりのリラックス法を
とにかく睡眠においては、脳の覚醒を抑えて眠るモードに切り替える事が重要ということですね。良質な睡眠をとる上では基本中の基本かと思います。
個人的にも、
・就床前6時間はカフェインを取らない
・就床前3時間は運動をしない
・最低でも、就床前30分はスマホをいじらない
・就床前は毎日同じルーティーンを行う
これらのことを意識してから格段に睡眠の質が向上しましたー。
③.床につくのは眠くなってから
④.同じ時刻に毎日起床
これは「低刺激療法」に基づくものだと思います。
低刺激療法とは、睡眠改善のために、あえて睡眠時間を削るというものです。睡眠改善のための最終兵器とも言われています。
ざっくりいうと、低刺激療法は
・眠くなるまで寝るな!
・眠れなくても同じ時間に起きろ!日中は眠くても、絶対に眠るな!
てな感じのものです。
まあ低刺激療法については今後詳しい記事を書くつもりなので、詳しく知りたい方はそれまでお待ちをー。
⑤.光を上手に利用
目覚めたら日光を入れ、夜の照明は控えめに
とのこと。「1日の中で時間帯によって上手に光を調節すれば睡眠改善に繋がるよ!」ってわけですね。
まあ日光に関しては睡眠にあしからず重要だと思います。なにせ日光を正しく浴びることで、
・優良ホルモン「セロトニン」が分泌される
・体内時計と地球のリズムのズレを解消できる
これらのメリットが得られるので。
光を上手く使えていない人は、とりあえず朝起きたら日光を浴びるところから初めて見るのがベターですね。
⑥.規則正しい3度の食事。規則的な運動習慣
三島さんいわく、
体内時計を1番影響を与えるのは光だが、光以外の要素も大事な働きをする。食事や運動で、消化管や肝臓、細胞1つ1つに働きかけるのが重要
とのこと。
体内時計を司る遺伝子は全ての細胞の中にあるそうです。正しい食事や運動の刺激で、体中に働きかけるのが重要なわけですね。
特に、運動には計り知れないメリットがあるので、とにかく始めるに越したことはありません!
⑦.昼寝をするなら、午後3時前。長い昼寝はかえってぼんやりもの。
昼寝で大幅に回復できるとは言うものの、時間帯と長さを誤るとかえってパフォーマンスを下げるということです。
ざっくりいうと、
・午後3時以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響
・40分以上の昼寝は、深い睡眠に入ってしまうため目覚めが悪くパフォーマンスを下げる
てな感じですね。結局のところ、昼寝法に関しては、コーヒーナップが最強かと思います。(コーヒーナップについてはこちらをどうぞー)
⑧.眠りが浅いときは、睡眠時間を減らし、遅寝・早起きにしてみる
こちらも、「低刺激療法」の考え方ですね。低刺激療法は、狂ってしまった睡眠サイクルの改善のみならず、睡眠の質向上にも利用できるわけです。
個人的にも「睡眠の質が落ちてるなー」と思ったときは、低刺激療法を取り入れたりしてます。
⑨.激しいいびき、呼吸停止、足のぴくつきやむずむずは要注意
いびきと睡眠時無呼吸症候群は、とにかく睡眠の敵ということはよく取りざたされてますね。
「自分は当てはまるのか分からん!」という人には、無料の睡眠の質計測アプリをダウンロードすることをオススメします。大抵は自動録音機能が付いてるので、自分のいびきや呼吸をチェックする事ができます。
そして、いびきや睡眠時無呼吸症候群よりも軽視されがちで危険なのが、「足のぴくつき」だそうです。
三島さんいわく、
眠っている時に足がピクつく人は多い。この現象は「周期性四肢運動障害」というもので、ぴくつきで目覚めても本人は気づかないため、危険。何回も繰り返すことで浅い睡眠しか取れなくなってしまう。
とのこと。
少しでもぴくつきを感じたら、専門家に相談するのが吉ということです。これについては、ベットパートナーが最初に気づくといったケースが多いみたいです。
⑩.十分眠っても日中の眠気が強いときは専門家に相談
⑪.睡眠薬は医師の支持で正しく使えば安全
これは最終手段ですね。基本的には、生活を見直せば睡眠も改善するはずです。自分にできることをやり尽くして、それでも改善しなかったら専門家の力を借りましょう。
何も睡眠改善のための試みをせず専門家に頼るのは悪手です!
睡眠薬に関しても最後の手段かと思います。というよりも、睡眠薬に手をだすと睡眠薬なしでは寝られない体になってしまうからです。
それに「メラトニン」のサプリメントの方が、遥かに睡眠改善には効果があると思います。この辺についてもいずれ詳しい記事を書くつもりなので、それまで少々お待ちをー。
⑫.睡眠薬の代わりの寝酒は不眠のもと
アルコールは入眠するのには役に立つんですが、眠りを浅くしてしまうんです。もちろん、翌朝も残るような飲み方は最悪です!1日のパフォーマンスに著しく影響してしまいます。
三島さんいわく、
晩酌と寝酒の区別をして欲しい。最低寝るまでに4時間のインターバルが必要。酒は睡眠にとっては百害あって一利なし。
とのこと。
ざっくりまとめると、
・就床前4時間はアルコールを飲むのはNG
・翌日残るような飲み方もNG
てな感じになりますね。
おわりに
三島さんの、「良質な睡眠のための12の指針」でした。
とにかく睡眠改善、睡眠の質向上のためには自分からアプローチをしていくことが重要ってわけですね。
個人的には、「細胞1つ1つに体内時計の遺伝子が存在するため、それに働きかける必要がある」という部分が目新しかったです。
規則正しい刺激を与えるためにも、食事の時間を固定してみようかと思います。どうしても不規則になりがちなので。。