未来の年表。少子高齢化社会の先に待ち受けるのは、人口2000人の日本 。打開策は存在するのか。

「少子高齢化社会」という言葉はもはや常識になっているんですが、正直なところ明確に「どんな問題が待ち受けているのか」といったことが頭の中に存在しませんでした。

そこで手にとったのが、

河合雅司さんの「未来の年表」

この本を通して、河合さんは具体的な未来の年表と、未来の日本を救う処方箋を提言しています。未来の年表がとても具体的なため、かなり危機感を煽られました。

ざっとメモしておこうと思います。

目次

  1. 待ち受けるは人口2000人の日本
  2. 未来の年表
  3. 未来の日本を救う「処方箋」
  4. おわりに

待ち受けるは人口2000人の日本

これ、正直「は??」って思いますよね。僕自身、初めは「そんなまさかねえ」と思いました。

ですが、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」(2017年)によると、日本の人口は

・2065年に約8808万人
・100年後に約5060万人
・200年後に約1380万人
・3000年には2000人になる

とのこと。「机上の空論」とは言え、近年の人口推移や様々な統計データを加味して算出したものなので、結構な信憑性はあるかと思います。

結構ビビりますよね。約1000年後には、人口がたったの2000人になってしまうとは。

「少子高齢化問題」は生易しいものではないわけです。

未来の年表

河合さんは、具体的な「近い未来」の年表を提示してくれています。これには幅広いテーマを拾い上げてデータに基づいて予測し、まとめ上げなければならないため、膨大な時間をかかったそうです。

その分、日本の未来の危険性がひしひしと伝わってきました。大枠だけまとめると、

・2019年:世帯数が5307万とピークを迎える
・2023年:団塊ジュニア世代が50代となり、企業の人件費がピークを迎える
・2024年:団塊世代がすべて75歳以上となり、社会保険費が大きく膨らみ始める
・2026年:高齢者の5人に1人が認知症に
・2030年:ITを担う人材が79万人不足し、社会基盤に混乱が生じる
・2033年:空き家が2167戸を超え、3戸に1戸は人が住まなくなる
・2040年:全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機に晒される
・2045年:東京都民の3人に1人が高齢者となる
・2050年:世界人口が97億3000万人となり、世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
・同年:団塊ジュニア世代がすべて75歳以上となり、社会保障制度の破綻懸念が強まる
・2055年:4人に1人が75歳以上となる
・2065年:総人口が8807万7000人で、2.5人に1人が高齢者となる
・2115年:総人口が5055万5000人まで減る

というもの。団塊世代とは、日本の「壺型人口分布」の中腹あたり世代を指します。団塊ジュニア世代は、更にその少し下の世代ということになります。

とにかく、団塊世代が高齢者となってしまったときが危険で、

・社会保障の破綻危機
・圧倒的な高齢者率
・人材不足

といった自体が発生し、日本がぐらついてしまうわけです。そこまでに何らかの策を打ち出さなければならないということです。

さらに、日本の人口は減り続けても世界の人口は増え続けるそうで、そうなると、

・各国は自国の食糧難に追われ、輸出ができなくなる→日本は自国の生産に頼らざるをえなくなる→人手が足りず生産が追いつかない→食糧難に陥り、世界的な食料争奪戦に巻き込まれる

てな事態が発生するそうです。

つまるところ、安直な言葉になってしまいますが、

・日本の未来は超危険!

というわけです。そう遠くない未来の話なので、決して無視できません。

日本の未来を救う「処方箋」

そんな日本の未来をどう変えれば良いのかということですが、河合さんいわく、

今現在首相が掲げていような、過去の成功にすがった「夢物語」では現実は変わらない。古臭く寂れた「成功体験」は捨て去るべきだ。そして、日本は人口減少を受け止め、「小さいがキラリと輝く国家」を作り出すべきである。

とのこと。要するに、

・現実に抗うことなく、戦略的に縮め!

ということです。確かに、もはや「人口キープ」は非現実的過ぎますもんねー。

そして、河合さんはこの主張に基づき、「日本を救う10の処方箋」を提言しています。どれも興味深かったんですが、特に興味深かったものをメモしておきます。

高齢者を「削減」

かなり危険な言い回しですよね(笑)

誰しも「殺しちゃうの??」といった考えが頭によぎると思います。

しかし、これは

絶対的な高齢者の数を減らすのではなく、高齢者とみなされる数を減らす

というもので、「高齢者」を支える人口を増やすという狙いがあるそうです。負担を少しでも軽くするためには、とてもいい考えだと思いました。

ですが、これは言い換えると

・お年寄りにも長い間働いてもらうよ!

ということなので、実際行う上ではかなり反発がありそうですね。

国際分業の徹底

河合さんいわく、

人それぞれ得意不得意があるように、国にも得意不得意がある。だからこそ得意でない分野は完全に切り捨て、海外に任せるべきでだ。そして、日本は、大量生産をやめて「匠の技」を推進すべきだ。

とのこと。つまりは、

・量より質を目指せ!

ということですな。河合さんの主張である「小さいがキラリと輝く日本」を作り上げるには必要不可欠です。

しかも今、「匠の技」は失われつつあるので、日本の生きた歴史を残し続けるためにもかなり重要なことかと思います。

セカンド市民制度を創設

河合さんいわく、

消滅の危機が指摘される自治体を中心に、人口減少に歯止めをかける必要がある。しかし、「定住人口」を増やすことは非現実的である。そこで、自治体に訪れる人口である「交流人口」を増やすべきだ。

とのこと。ざっくりいうと、

・一度だけでなく、繰り返し訪れてくれる「観光客」を作ろうぜ!

てな感じになりますね。この「交流人口を増やす」という固定観念を払拭した斜め上の理論には、膝を打ちながら共感してしまいました。

そして河合さんは、この交流人口を増やすために「知の巨人村構想」というアイデアを提示していました。

これは、

定年退職を迎えた大学教員が抱える学術書や資料、膨大な書物を、人口が減る地方都市に保管する

というもの。

これによって、大学教授は定年後も研究室を持ち自由にアイデアを育むことができ、「交流人口」増加の手助けにもなるわけです。

さらに、同じ研究分野ごとに集めれば、1つの学部のようなものができ、研究者が一堂に会する地域が出来上がり、さらに「交流人口」増える。

とてもいいアイデアですよねー。その地域の人は、資料を自由に拝見できるわけですし、大学教授の膨大な情報を共有することもできます。

おわりに

河合雅司さんの「未来の年表」を通して、少子高齢化について理解を深めることができました。

そう遠くない未来に危機が迫っています。日本のすべての人が危機感を持つことが重要なのではないかと思います。