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行動経済学に学ぶ「合理的な生き方」

このエントリの目的は、

行動経済学のフレームワークを学んで、無駄に不幸になる行動を減らそうぜ!

ってものになります。というのも、「リンダ問題」にチャレンジしてみるとわかりますが、ヒトって生き物は非常にバイアスに流されやすく、非合理的な意思決定や消極的な思考ばかりしてしまうんですよね。

だからこそ、できるだけ合理的な意思決定に近づけようってわけです。では、早速。まずは「行動経済学って何?」ってとこから。

行動経済学とは

行動経済学とは、

経済学の数学的モデルに、人間の心理的観察事実を取り入れた研究手法をとる

という学問です。

経済学の数学的モデルとは、「人間は合理的に意思決定をして、自分の利益を最大化させている」というものですんで、行動経済学はその理論に「人間の心理的な要素」を取り入れることで待ったをかけているようなイメージです。まあざっくりいうと、行動経済学の理論は

・人は非合理的な選択をしすぎだ!

というものです。「非合理的な選択って、そんなに悪いものなの?」と思う人もいるかも知れませんが、非合理的な選択を繰り返していると多く時間とお金を失い、幸福度までをも下てしまうんですよねえ。

といったところで、ここからは行動経済学のフレームワークを詳しく見ていきましょう。

不平等回避

不平等回避」という概念は、チューリッヒ大学のエルンスト・フェール博士が提唱したものです。内容は、

自分の状況を評価して行動を決定する時、平等の状態になるのを好み、しばしば他人の状況と比較して判断する

というもの。こいつが曲者でして、これが頭の中にあるだけで、感じる必要の無い「罪悪感」や「妬み」を感じ、より不幸になってしまうんです。

給料の例なんかが分かりやすいです。自分の所得を他人と比較した場合に、比較した相手の所得が自分より高ければ「妬み」を感じ、比較した相手の所得が低ければ「罪悪感」を感じるかと思います。これによって、幸福度が無駄に下がってしまうんですよねー。

ですので、対策としては

他人との比較を極力避ける

ってのが吉。極論を言ってしまえば、人と比較しなければ「妬み」による不幸感や虚無感は、一切感じません。客観的な幸福の追求は不幸をもたらす危険性が高いので要注意です。

ちなみにですが、他人との比較による感じ方は文化や人種によって異なるらしく、日本人は他人より裕福だった際に「罪悪感」を感じない傾向があるみたいです。無情なんでしょうか(笑)

参照点

「参照点」とは、

自分の状況が変化した際、その変化を測定するときに用いる「特定の状態」

のこと。例えば、体重を計測するとします。その際に、「前回計測した際の体重」と「現在の体重」比較する場合は、「前回計測した際の体重」が参照点に成ります。

「こんなこと知って何になるんです?」って人がいるかと思いますが、意外とシビアな問題なんです。というのも、参照点を何かを予測するときに用いると幸福度を下げてしまう可能性があるんですよ。

例えば、給料日前に「給料が上がるらしいよー」という類の噂が流れていたとします。そこで現在月収30万円のあなたが「月収35万まで上がるかも!」と考えたとします。そして、いざ給料日になったときに給料は32万までしか上がらなかったとしましょう。どのように感じますか?大抵の場合、

3万円分マイナスの満足感を感じる

という現象が起きてしまうはずです。反対に、「給料は現状維持だろう」と思っていた場合は、2万円分の満足感を得られるはずです。

「じゃあ期待や予想をしてはならんのか!」ということですが、そういうわけではありません。ただ、

無駄な参照点は作らない

というのが合理的かと思います。でないと、プラスの出来事が起きたのに幸福度が下がる、といった天の邪鬼な現象が起きてしまう危険性がありますので。

試合の流れは存在するのか

スポーツマンなら誰しも「試合の流れ」ってものを耳にし、意識したことがあるかと思います。本当にそんなものが存在するのでしょうか。

行動経済学の答えは、NOです。例えば、名古屋大学大学院の加藤英明教授と神戸大学大学院山崎尚志教授が「野球」対象にしたフィールドワークにより導き出したユニークな統計があります。それがこちら。

自軍攻撃でバントの失敗や盗塁死、牽制死などのミスをした回から3イニングの得失点確率

[ミスの発生回(自軍攻撃)]
・得失点確率:30.2%
・得失点平均:0.543点
[次イニング(自軍守備)]
・得失点確率:22.8%
・得失点平均:0.436点
[次々イニング(自軍攻撃)]
・得失点確率:26.2%
・得失点平均:0.476点
[全体平均]
・得失点確率:26.2%
・得失点平均:0.469点

このデータを見ると、次イニングの失点確率は上昇せず、むしろ平均よりも低くなっていることが分かります。次々イニングの得点確率を見ても目立って落ち込んでいません。つまるところ、

「試合の流れは存在しない」と言っちゃっても良さそう

な感じですね。「じゃあ、なぜ試合の流れを多くの人が感じるのか」ということですが、単純にバイアスの一種でしょう。人間は目立つものばかりを選択的に認知する生き物ですので、ほんの少しミスが連続するだけでも過剰に反応してしまうんですよねー。

バスケットボールの世界でも、試合の流れよろしく「ホットハンド」と呼ばれるものがありますが、コーネル大学のギロヴィッチ教授によれば、

「ホットハンドは存在しない」

とのことです。ホットハンドに関しても、認知バイアスが原因と言えましょう。本当に人間って単純。。これがあるから「謎のジンクス」や「宗教」にすがりつく人が後を絶たないんでしょうねー。

アンカリング(係留)効果

アンカリング効果とは、

事前に脳が認識した「無意味な情報」に影響されてバイアス(思い込み)がかかり、目の前の選択が歪められる

というもの。ざっくりいうと、

・ヒトは、事前に見た意味のない情報を基準にしてしまう!

てな感じになります。売り手はこの修正を利用して、消費者の購買意欲を高めているわけです。例を挙げるとすれば、


・「秋冬セール 全品半額!○○円→○○円に!」
・「初回限定 29800円→10000円!」
・「まとめて買うと、○○円に!」

てな感じのものですね。元の価格など一切関係ないのに、なぜか「お得」な感じがして、買う予定のなかった商品にまで食いついてしまった経験があるかと思います。それこそが、アンカリング効果にハマった状態です。

そのままハマっていると莫大なお金を失います。そもそも、売り手は値引きしたところで儲かってます。言ってしまえば原価なんて物凄く低いものですからねー。

そんなアンカリング効果にハマらないためには、「お得!!」と思った瞬間に一拍おいて、

・「現在の」価格を見て吟味する
・単純にその商品が必要かどうか自分に問いかける

などの、対策をとってから意思決定をするようにしましょう。とにかく心をフラットにすることが重要です。手のひらの上で転がされる存在にはなってはいけません!

ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、

多すぎる情報に晒されることで、論理的思考を失い、非合理的な選択してしまう

というもの。ざっくりいうと、

・ヒトは選択肢が増えるほど合理性を失う!

てな感じです。実際に、

・種類の多すぎる調味料
・種類の多すぎる服
・種類の多すぎる旅行プラン

これらのものに晒されたとき「あーもうこれでいいや!」と、当てずっぽうな意思決定をしてしまった経験がありませんか?些細な意思決定も含めれば全ての人があるかと思います。

ですが、あてずっぽうな意思決定では、最適な選択は生まれないんです。

「そんなに気にする事ある?」と思うかもしれませんが、1つの選択の損害は少なくとも、あとあとのしかかってくるものです。まさに「塵も積もれば山となる」。考えることをやめてはいけません。

とは言うものの、今の社会には情報が溢れかえっているので、全てを選択肢に入れて吟味するのは不可能に近いです。そこで、自分の中で「選択のルール」を作っておきましょう。

例としては、

・「旅行プランを選ぶときは、5社の旅行会社に絞って、その中で最善を探す」
・「ブランドを3つに絞って、服を選択する。」
・「事前に具体的な予算を決めておく」

などです。とにかく当てずっぽうな意思決定を避ける事が重要。選択肢を絞り、その中で最善の選択をすることを心がけましょう。

サンクコスト

サンクコストとは、

既に支出され、どのような意思決定をしても取り返すことが不可能な費用

の、ことです。ヒトは既に取り返せない費用に執着しすぎてしまいます。これはお金に関わらず言えることです。

サンクコストに執着した例としては、

・「これを買ったのは、失敗だったな~。」という考えをいつまでも引きずり、新たな商品を買い取り返そうとする。

・ギャンブルをやめたいとは思っているが、「負けを取り返すまでは、やめるわけにはいかない」という考えに取り憑かれて、いつまで経ってもやめられない。

・過去の挫折を引きずり、いつまでも新しい試みをしない。どうせ失敗すると考える。

などです。過去の失敗は取り返す事ができないので、いつまでも引きずったところで何も生まれません。また同じような失敗を繰り返すだけです。

とは言いつつも、「過去の失敗や挫折は、頭に残る!」という場合が多いですよね。失敗のカルマは頭から離れないものです。

そこで、サンクコストを考えてしまうヒトの性質を逆手に取りましょう。過去の失敗を引きずり、何も生み出さない意思決定をするのではなく、過去の失敗から学ぶんです。

具体的な方法として、失敗してしまったら


・なぜ、失敗したのか
・今同じ状況に立ったら、どんな意思決定をするか
・今、過去の失敗をどう活かせるか

と、いうことを考えて次の意思決定に繋げることを意識しましょう。そうすれば、サンクコストが頭に浮かぶ度に成長できます!。要するに、

・失敗や挫折を自分を守る盾に変えろ!

ということです。

まとめ

ということで、この辺までにしておきます。今回は、幸福度につながる部分が多い感じになりましたねー。より合理的な意思決定を目指していただけたら幸いです。

ちなみにですが、合理性は「自分が非合理的なことを把握するだけで向上する」と言う研究も存在するので、

あなたの「思い込みへの陥りやすさ」をチェックする問題を紹介。思い込みに流されない方法とは

こちらを参考までに、合理性を高めて見るのも良いかもしれません。