「AIによって現在の職業は殆ど取って代わられる!」なんて意見が飛び交う昨今。そのような不確実な未来に立ち向かうには、人間の強みである「想像力」が武器になると言えましょう。
ということで、今回は「短時間で創造性・クリエイティビティを高める方法」を紹介します。
「感情」と「創造性」には深い関係があるのでは?
ネタ元は、コーネル大学の心理学者アリス・アイゼンが行った研究。研究チームは、「感情と創造性は、深く関連してるのでは?」という仮説のもと興味深い研究を行いました。内容は大きく2つのステップに分かれます。まず、
実験室に到着した33名の男性と83名の女性被験者たちを、個別(ランダム)に分け特定の感情的状態に置く。その際、
「ポジティブな感情」を引き出すためには、コメディ映画の映像を5分間見せ、「ネガティブな感情」を引き出すには、ナチスの強制収容所についてのドキュメント映像を5分間見せる。また、学生をニュートラルな状態(コントロールグループ)に置くためには、数学についての映像を5分間見せるか、2分間の運動を行わせる
という段階を踏みます。このステップでは、被験者たちに特定の感情をもたせることを意図しています。そして次に、
被験者全員、個別に同じロウソクの問題(画鋲の這入った箱、ろうそく、ブックマッチを渡し、10分以内にロウを床に落とさないような形でろうそくの壁をコルクボードに固定する)を解決するよう求める
という課題を出します。このロウソクの問題は、1945年に生まれた「ドゥンカーのロウソク問題」と呼ばれる古典的な創造解決問題で、ちょっとした想像力を働かせれば解決できるような内容になっております。創造力を計測するにはもってこいな手法なんですよね。
※ドゥンカーのロウソク問題の解決方法について知りたい方は、最後の「まとめ」を参照下さい。
幸福感が「創造性」を促進する!
で、この研究の結果はというと、
・コメディ映画の映像を見たグループの方が、問題を解決する確率が格段に高かった!
というものになったそうです。この研究では、根本的な個人的能力の差などは入念に調整されているので、この結果には事前の感情への介入の影響が大きく反映されています。つまるところ、
・「ポジティブな感情」になるだけで創造性は上がり、アイデアが浮かびやすくなる!
というわけです。何んらかのアイデアを出したい時は、ポジティブになるのが吉になります。
まとめ
ということで、短時間で創造性を高める方法は「ポジティブな感情になる!」でした。先程も言いましたが、この研究では、入念な調整が行われているので、根本的な創造性的能力の個人差は気にしなくてOKです。
また、ポジティブな感情になる方法については、人それぞれの方法でOKでしょう。まあ、この研究に習って「お笑い番組の動画を5分間だけ見る」って感じが無難ですかねー。
今後創造性が必要な機会があったら試してみて下さいな。
※○「ドゥンカーのロウソク問題の解決方法」