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幸福な人生を送る上で必要な『理論』4選

inovation of life

 

クレイトン・M・クリステンセン著「イノベーション・オブ・ライフ」を読みました。

本書は、世界で最も影響力のある50人に選ばれたクリントン教授が、ハーバード・ビジネス・スクールで行う最終講義をまとめたもの。人生で直面する様々な問題に対処し、幸せな人生を送るための「理論」を学ぶことができる一書となっております。

この理論は、ハーバード・ビジネス・スクールを始めとする有力大学で研究が行われ、徹底して検証されてきたもの。本来は、より良い企業を築き上げるために作り上げられた理論ですが、「組織に対してのみならず、『理論』を個人に当てはめて最高の人生を送ろう!」ってな寸法です。

キャリア形成から人生の困難、はたまた人間関係や道徳にまで活かせる内容となっており、深い学びをえることができました。書評がてらメモしておこうと思います。

最高のキャリアを形成するために『計画』は必要か

最高のキャリアを形成したい!

誰しもこのような願いを持っているかと思いますが、これを実現する上では様々なアプローチが存在します。綿密に計画を練って計画通りに進もうと試みたり、計画を一切立てずに好奇心に従い人生を歩んだり。後者のアプローチでは、リチャード・ブランソンなんかが有名ですね。

では、最高のキャリアを形成するには、どちらのアプローチがベストなのでしょうか。計画を立てた方がいいのか、はたまた好奇心に従った方が良いのか。この問に対する本書の答えは、

意図的戦略と創発的戦略のバランスを取れ!

というもの。「意図的戦略」とは、目標達成のために事前に練った戦略のこと。「創発的戦略」とは、思わぬ出来事によって意図せず生まれる新しい戦略を指します。一般的に、経営学の世界では創発的戦略が重要視されます。というもの、予期せず生まれる戦略やアイデアの方が、今までになかったものであり価値があるからです。

創発的戦略の重要性がわかる事例としては、アメリカでのホンダの小型バイクの成功が挙げられます。当時アメリカでは、大型バイクが人気を集めており、ホンダも大型バイクを売り出していました。が、既にアメリカではハーレーなどが人気を集めており、ホンダは売れ行きが悪く苦しみました。

ところがある日、ホンダの社員が日本から数台持ち込んでいた小型バイクに乗り、ロサンゼルスを走り回っていたところ、小回りが利いて簡単に乗り回せる利点がアメリカ人の目に止まり、販売で取り扱わせて欲しいと申し出を受けたんですね。

当時、ホンダは「アメリカのバイクシェアの10%を大型バイクで席巻する」という意図的戦略に囚われていたため申し出を渋りました。が、次第に現状を理解し、小型バイクを日本から大量に取り寄せ販売を開始しました。その後、皆さんご存知の通り、ホンダは大成功を収めます。要は、小型バイクを販売するという予期できなかった創発的戦略によって成功したわけです。

つまり、この理論を人生に当てはめて最高のキャリアを形成する上では、創発的戦略を

計画も必要だけど、状況に応じて方向転換する必要もある

ということです。ある程度はキャリアの方向性を定める必要があるけど、必要であれば方向転換をするのが吉。計画に忠実であることに躍起になっていると、ホンダのような成功を逃してしまう危険性があるわけです。

事実、著者は大学教授というキャリアに心から満足しているそうですが、思い描いていた職から離れ、二転三転してたどり着いたと言います。

人生を豊かにするための困難や障害の『捉え方』

人生には必ず困難や障害がついて回ります。ですので、それらに上手に対処、もしくは利用することで人生が豊かになると言えましょう。では、どのような理論を取り入れれば困難や障害を乗り越えることができるのでしょうか。

これについて本書では、

・「経験の学校モデル

という理論が紹介されています。これは、ざっくりいうと、あらゆる困難や障害は経験を積むための講義を受講したと考えろ!というもの。これは、経営学の「リエンジニアリング」と呼ばれる環境や失敗などを分析して組織を再構築するという理論に基づいています。まあ、つまるところ、大きかれ小さかれ

困難や障害は、徹底的に分析し経験として身につけて自分を成長させろ!

ってわけです。例えば、企業の人材採用では、候補者の能力や業績よりも、「これまで何を経験してきたか」ということ目を向けた方が上手くいくんだと言います。

この理論に従えば、経験した困難や挫折の数が多いほど成長できると考えることができるので、だいぶ気が楽になりますよねー。

よりよい人間関係を築くための理論

全ての売買は、「用事を解決するために『雇う』」という理論で説明することができるそうです。例えば、自動販売機でジュースを買った際には、のどが渇いたから喉を潤したいという「用事」を、ジュースを購入し「雇う」ことで解決させる、といった構図が成り立つんだとか。

で、著者は、この理論を用いて、よりよい人間関係を気づくために、

夫婦喧嘩などのイザコザやトラブルは、問題を明らかにし、どんな目的で雇われてるのか明らかにすれば解決する!
相手の用事を解決することに全力を尽くすことで、よりよい人間関係を気づくことができる!

という主張をしておりました。争いの解決する目的であれ、深い仲を気づく目的であれ、真の用事を明らかにし、それを解決するために全力を尽くす、つまり雇われれば上手くいくんだと。事実、争いの絶えない夫婦ほどお互いが本当に望んでいるもの(用事)を理解していないケースが多いんだそうです。

道を外し、望まない方向に進まない為の理論

道を外して人生をドロップアウトしない為の理論を2つ紹介してくれていました。まずは1つ目。

○限界的思考:

近年、企業が不祥事を起こすケースが頻繁に発生していますが、この現象は「限界的思考」のレンズで物事を見ていることが原因だと言います。

限界的思考とは、目の前の取引の損益だけを見て物事を判断することを言います。企業の例で言えば、大きな投資をして新しい工場を設立した方が将来的に利益になるにもかかわらず、工場を設立せずに同じ工場に追加投資して「その場限りの利益」を押し上げる、というものが挙げられます。まあ要は、限界的思考はその場の利益でしかものを捉えない思考なわけです。

「なんでこれが人生にも当てはまるの?」ということですが、事は単純で未来のことを考えずにその場限りで決断するのは楽であり、そのような決断を迫られる状況は無数にあるからです。限界的思考でしか選択をすることができないと、人生は悪い方向に進み続けます。

○96%ルールを守るよりも100%守る法が楽:

誰しも、「この1度だけならルールを破っても許されるはず…」という誘惑に駆られたことだあると思います。ですが、限界的思考に基き「この1度だけ!」という誘惑に負ければ、その先で同じ誘惑に駆られ続けます。一線を超えれば歯止めが効かなくなるわけです。

そして、いつしかその葛藤も感じなくなり、過去には「悪い道」であった選択も、いつしか「当たり前の道」に変わります。結果として、雪だるま式に状況は悪化していき、人生が破滅するのは明白でしょう。

・楽して儲けたいと考える→いつしか未来やリスクについて考えなくなる→美味しい話に簡単に食いつきマルチ商法はまる
・1度だけギャンブルに手を出す→行く頻度が増える→行くのが当たり前になりギャンブル中毒に
・1度だけと思い友達からお金を借りる→借金が当たり前になる→破産

みたいな感じになりますかね。まあ、ここまで大げさなものではなくとも、あらゆる選択に通ずるかと思います。「ちょっとだけ!」として誘惑に負ければ、いつしか感覚が麻痺してしまいます。自分の信条は、100%守るのが吉。

まとめ

というわけで、『イノベーション・オブ・ライフ』から「幸せな人生を送るための4つの理論」についてでしたー。

本書では、4つだけでなく多くの理論が紹介されているので、気になる方はお手にとって見て下さい。以上!