健康的な質の高い人生を送るためには、食生活に気を使う必要があります。良質な睡眠を確保し、かつ運動習慣を維持していたとしても、食生活が乱れていればそれらの効果が台無しになってしまいます。
では、どのような食生活を心がければ良いのでしょうか。もちろん、
・加工食品の摂取量を減らす
・揚げ物の摂取量を減らす
・野菜やフルーツを沢山食べる
・バランス良く食べる
などの当たり前の話はさておきです!
毎日摂取したい【フラボノイド】
近頃、オーストラリアのエディスコーワン大学が興味深い研究を発表していました。というのも、同研究チームは、56,048人の参加者を23年間追跡する大規模な研究から心臓病やがん由来の死亡リスクを大幅に下げる成分を発見したんですね。
その成分こそが、フラボノイドです。
ここからは、以下のポイントについて見ていきます。
・フラボノイドとは?
・フラボノイドの種類
・フラボノイドが豊富な食材
・研究内容と結果、フラボノイドのメリット
・一日の推奨摂取量
フラボノイドとは?
「フラボノイド」とは、ポリフェノールの一種で天然に存在する植物色素の総称です。種類は4,000以上にまでのぼると言われています。
また、フラボノイドは、植物が自身の身を守るために作り出している物質です。植物は、フラボノイドを生成することで、害虫から身を守ったり、紫外線による活性酵素から身を守ったりしています。
植物は、我々動物と異なって自身で身動きを取ることができず、紫外線や外敵から身を守ることが容易ではありません。そんな植物が生き残るためには自己防衛の武器を身につける必要があるわけで、その役割を担っているのが「フラボノイド」というわけです!
フラボノイドの種類
厳密に言うと、フラボノイドには様々な分類があります。化学構造に違いがあるからです。具体的には、以下のように分類されます。
・フラボン
・フラボノール
・フラバノン
・フラバノール
・フラバン
・イソフラボン
「イソフラボン」なんかは耳に馴染みやすいのではないでしょうか。大豆イソフラボン。よく耳にしますよね。
フラボノイドが豊富な食材
続いて、フラボノイドが多く含まれる含まれる食材についてです。
○緑茶、お茶、ココア、紅茶
○りんご、ブルーベリー、グレープフルーツ、ゆず、みかん、レモン
○ブロッコリー、玉ねぎ、エシャロット、ピーマン、春菊、セロリ、れんこん
○ゴマ、きなこ、大豆、黒豆
フラボノイドのメリットが凄そう
では、研究内容に戻りましょう。研究チームは、成人56,048人を23年間追跡調査しました。
実は、過去にフラボノイドに関する研究はいくつか行われていました。ですので、今回はそれらを上書きする形で大規模な研究が行われたことになります。なぜ、再度フラボノイドに関する研究を行ったのかということですが、研究者は以下のように語っております。
過去の研究から得られた証拠は、不十分なものだった。フラボノイドの特定の役割を明らかし、かつ最大限の恩恵を得るための摂取量を明らかにするためには追加の研究が必要不可欠だ。
要するに、過去の研究では明確に明らかになっていなかった、
・フラボノイドの具体的なメリット
・フラボノイドの推奨摂取量
を明らかにしようと試みたわけです。
では、研究の結果です。
まず、追跡が行われた23年間では、残念ながら56,048人中14,083人が亡くなったそうです。その後、研究チームは参加者の喫煙や飲酒などの要素を調整し、一つの結論を打ち出しました。それが、こちら。
我々は、フラボノイドやその下位分類の達成可能な量の摂取が、全ての原因によるー心臓病関係、がん関係を含むー死亡リスクを低下させる証拠を提供する。
なんと、フラボノイドにはあらゆる病気由来の死亡リスクを低下する効果があるみたいです!
喫煙者、酒飲みには効果が高め?
研究では、興味深いことが明らかになっています。なんでも、フラボノイドの効果が、喫煙者や毎日飲酒をしている参加者に最も効果が現れたんだそうです。
喫煙や飲酒を好んでいる方には嬉しい情報かもしれませんが、研究者は以下のように語っております。
フラボノイドは、喫煙やアルコールの過剰摂取による死亡リスクの増加となんら関係はない。これまでのところ、健康に最適なことは、禁煙かつアルコールの量を減らすことだ。
とのこと。やはり、喫煙やアルコールのダメージは計り知れないみたいですね。ハーバードの「寿命を10年伸ばす習慣」でも同じようなことが言われておりました。
一日の推奨摂取量
ここまでで、フラボノイドが死亡リスクを低下させるという研究結果を見てきました。では、どれくらいの量を摂取すれば、これらの恩恵を受けることができるのでしょうか。
研究では、以下のことが明らかになっております。
・一日に500mg摂取する人は、がん由来・心臓病由来の死亡リスクが最も低かった!
・しかし、500mgで恩恵が最大になり、それ以上摂取しても追加の効果は得られない!
「500mgってどのくらいの量?」ということですが、研究者いわく、
多様な種類のフラボノイドを含んだ食材や飲料を摂取するべきだ。この目安は容易に達成することができる。例えば、一杯のお茶、りんご一つ、オレンジ一つ、ブルーベリー100g、ブロッコリー100gを摂取すれば、様々なフラボノイドを摂取することができ、かつトータルで500mgを超えて摂取できる。
ということで、そこまで難しくない感じになります。もともと健康的な食生活を意識している方は、既に達成しているかもしれませんね。
注意点
同研究は、膨大な数の参加者を対象とし、かつ長期間追跡を行っています。また、参加者のライフスタイルやその他の情報を考慮してデータを算出しています。つまり、かなり信頼度が高い方です。
ですが、完璧な研究というものは存在せず、今回は以下のような制限があります。
・参加者の食生活の情報を研究の開始当初にしか集めていないため、参加者の食生活が変化がしているかもしれない
・白人を対象としているため、全ての国に今回の研究結果が適用できるか否かが明確ではない
とはいえ、フラボノイドを摂取したことで死亡リスクが高くなった!病気になった!なんて話は起こりうるはずがないので、「フラボノイド500mg」を目安にバランスの良い食生活を心がける価値は大いにあると思います。
まとめ
そんなわけで、「フラボノイドには、死亡リスクを下げる効果・メリットがあるよ!」という話でしたー。個人的には、ブロッコリーの摂取量を増やそうかなぁ、と思っております。