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子供の未来を切り開く! ~子育てを成功させる4つのコツ~

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今回は、お子さんにより良い未来を届けるための子育てについて”科学的に”紹介します。

自分のやりたいことを見つけ、理想のキャリアを歩む。卓越し、最高のパフォーマンスを発揮することで、何らかの形で成功する。

そんな幸福な未来を築いて欲しいですよね。

子供を成功させる4つの方法

「ウォール・ストリート・ジャーナル」に掲載される程の大人気ブログ『Barking up the wrong tree』が、「子供を成功させる4つの方法This is how to make your kids successful)」について科学的に紹介してくれておりました。かなり良い内容だったのでメモしておきたいと思います。

ちなみに、ここでいう「成功」とは、何もアメリカンドリームのようなデカイことをうたっているわけではありません。理想のキャリアを歩む。満たされた人生を送る。これら全てが1つの成功の形です。

では、早速みていきましょう。

1.幼い頃から1つの分野で特訓を積むべきか問題

幼少期は、最も学習効率が高いとき。しかも、様々な分野のスペシャリストは幼少期から1つの分野の特訓を積んでいる。『多くの練習時間=優れた能力』が成り立つはず。だから、小さい頃から1つの分野を特訓させるべきだ!!!

なんて主張をしばしば見かけますよね。確かに、幼少期の成長速度は成人期とは比べ物になりませんし、練習すればするほど能力は卓越していきます。少し前には、『10,000時間の法則』と呼ばれる、1万時間練習すれば誰でもスペシャリストなれるぞ!なんて理論も流行っておりました。

これらを踏まえると、成功するには若いうちから1つの分野に時間を注ぐべき! というアドバイス理にかなってるように見えますよね。

では、科学的に見てみましょう。果たして、「幼い頃から特訓を積むべき論」は正しいのでしょうか。

答えは、、、

半分正解で、半分間違いです

「ん?なんだ答えを濁してないか?」と思った方! ちゃんと理由を説明するのでもう少し読んでいって下さい。

まず、半分正解な理由について。なぜ、半分正解にしたかということですが、それは、幼い頃から1つの分野に時間を費やしたことで実際に成功した人がいるからです。

例えば、かの有名なタイガー・ウッズ。ウッズの父親は、ウッズが生後7ヶ月の頃からゴルフパターの練習をさせました。そして、ウッズはみるみる上達し、たった4歳で大人に勝利を収め、8歳時には実の父親にも勝利を収めました。

うん、確かにこのストーリーを見ると、幼少期からの特訓が必須のように見えます。事実、エリートは、そうでない人よりも膨大な時間を練習に費やしていることが明らかになっています。

「いや、じゃあ何でさっき”半分間違い”って言ったのよ!」と思われるかもしれませんが、実は、別の成功者のパターンも存在するんですよ。

ある少年は、幼少期に数多くのスポーツを経験しました。スキー、レスリング、水泳、バスケットバール、ハンドボール、バトミントン、サッカー。少年は、どの競技も真剣に取り組みましたが、どの競技も全く身につきませんでした。そして、少年は10代になって初めてテニスを始めます・・・

これ、なんとあのロジャー・フェデラーの話なんですよ。ツアー通算歴代最多187勝を誇るあのフェデラーです。驚くべきことに、彼がテニスを初めたのは幼少期では無かったのです!

とはいえ、実は数多くの研究でこのロジャー・フェデラーのパターンは、タイガー・ウッズのパターンよりも一般的であることが明らかになっています。現在”一流”と呼ばれる人々の間では、もはやタイガー・ウッズのパターンは「例外」なんだそうです。

ベストセラー「RENGE」の著者であるBlame Davidは言います。

幼少期においてエリートが、最終的にエキスパートとなる分野の練習に費やす時間は少ない。その代わりに、彼らは研究者が『サンプル期間』と呼ぶものを経験している。
彼らは様々な環境で、様々なスポーツを経験する。そして、先の人生で使用できる幅広い身体的な技量を獲得する。さらに、彼らは自身の能力と嗜好を学ぶ。
そして、最終的には1つの分野に的を絞り、徹底的に集中し、技術的な能力を強化するのだ。

つまるところ、1つの分野でスペシャリストになるためには、第一に様々な分野を経験する「サンプル期間」を設ける必要があるわけです!

「でもこれってスポーツだけの話でしょ?」

違います。このパターンは、音楽でも共通なんだそうです。Blame Daividいわく、

秀でている学生は、そうでない学生と比較すると、音楽的な活動が少ない家庭で育っている傾向がある。幼少期から音楽を初めてわけではないし、幼少期から家庭に楽器が置いてあったわけでもないし、学校に入るまでの音楽の練習時間も少ない。そして単純に、”達成”するまでの時間も少ない。

さらに、最も優秀な音楽学校の学生の特徴は、1つではなく、3つの楽器に対して平等に練習時間を注ぐ学生なんだそうです。

「いやちょっとまって、これ全部芸術とかスポーツの分野の話?」

安心して下さい! なんとこのパターン(1つではなく様々な分野を経験する)は、ビジネスの分野でも見られるそうです。

Blame Daividいわく、

ある研究では、キャリアの早い段階でスペシャリストとなった人は、大学卒業後稼ぎに食らいつく。しかし、キャリアの遅い段階でスペシャリストになった人は、自分のスキルと人間性が適応したより良い仕事を見つける傾向がある。

1つの分野に大量の時間をつぎ込むのは悪いことではありません。しかし、上記の内容を踏まえれば、大量の時間をつぎ込むのは、0~10歳である必要はありませんいやむしろ、つぎ込むべきではないのです。

さて、ここまでで、1つの分野に集中させる子育ては、不適正な可能性があることが明らかになりました。では他に、子育てにおいて常に意識すべきことは何なのでしょうか。

もちろん、お子さんにとって「学校」は重要です。だから、学校でいい成績を取るために、全力でサポートしてあげるのが良い子育て………..

ではないかも。

2.お子さんが学校で常にトップの成績を取得していたら、それは”危険信号”かも?!

もしかしたら、学校で好成績を収めるのは、問題かもしれません。
より詳しく言えば、学校で「オールA」の成績や、5段階評価で言うところの「オール5」の成績をとっていたら問題かもしれません。

なぜなのでしょうか。

もちろん、好成績を取得するのはとても良いことです。しかし、もしお子さんが短時間かつ簡単に好成績を取得しているのであれば、それは本当の意味で学習しているとは言えない可能性があります。 

というのも、本当の学習というとは、ツライものだからです。学習とは、物事をより簡単にこなせるよう努力する活動ではないんです。

Blame Daividは、学習には「理想的な困難」が必要であると言います。

学習をより困難にし、進度を遅くする障害は、短期的には学習者をイライラさせる。しかし、長期的には大きなメリットがあるのだ。
事実、最も生徒を成功に導く先生は、何らかの形で良くない点がある。
学生を成功に導くのに優れている教授は、より高度なクラスでも学生のパフォーマンスに何らかの害を及ぼしている。

子供の成績が”良すぎる”、あるいは”全くもがいていない”のであれば、学習の効果が極めて低い状態である可能性が高いです。節度ある苦しさ、つまり「理想的な困難」を感じる学習が最も効率が良いんです。

いわく、

ある研究では、参加者に単語のペアを記憶させ、その後にそれらを思い出すテストを行った。
テストでは、クイズを使って記憶したグループの成績が最も優れていた。参加者のほとんどが、そのクイズでミスを犯していたのにも関わらずである。

要は、学習ってのは、筋トレと同じということです。自分が楽に持ち上げられる重さのバーベルを上げているうちは、筋肉は決して成長しません。楽にはあげられない重量、それでして重すぎない重量、つまりギリギリ持ち上げられる重量のトレーニングが最も効果的なんです。これこそが、「理想的な困難」の目安になりますね。

3.1つの分野に特化すると盲目になる

世の中には、様々な専門家がいます。1つのスキルに特化し、明確な役割を持ち、1つのゴールに向かって突き進む。専門家になれば、素晴らしいキャリアを築けるに違いありません。

….が、1つの分野に特化するのは、お子さんの「脳」と「未来」にとっては良くないことかもしれません。

なぜか。その理由は、「フリン効果」という理論から説明ができます(もちろん、そっちのフリンじゃありません)。

フリン効果とは、以下のようなものです。

ある青年が、IQ100の脳を持っていたとします。そして、月日が経つにつれて、青年は賢くなり、あらゆる作業の効率が上がり、意思決定の速度もあがり、みるみる”キレる”男になっていきます。そこで、その青年のIQをもう一度計測してみます。もちろん、キレる男になったわけですから、IQを向上しているに違いありませんよね? が、驚くべきことに、青年のIQは100のまま変化していませんでした。

青年が賢くなった理由は、年月とともに知識の幅が増え、より概念的に、より正確に、より自動的に意思決定をすることが可能になったからです。要するに、幅広い知識を積むことで、思考の無駄が排除できると言うわけです。

また、幅広い知識を積むことで、より柔軟性のある脳も手に入れられます。

科学者は、皆何らかの趣味を持っている。しかし、名高い科学者ほど、自分の専門分野から離れた分野の趣味を持っている。そして、ノーベル賞科学者は、その傾向がより強い。
また、国際的に認められた科学者は、他の科学者と比較して、ミュージシャン、彫刻家、木工技師、メカニクス、電気職人、ガラス吹き工、小説家(フィクション,ノンフィクション問わず)をかじっている。
そして同じく、ノーベル賞科学者は、よりこの傾向が強い。

このデータを見れば、大体見えてきますよね。

1つの分野に特化している人ほど、視野が狭まり柔軟な発想を促せない。しかし、幅広い知識を持つと、より脳が柔軟になり、”見える景色”までもが増えるというわけです。

まだこの記事を読んでいる方はいらっしゃいますでしょうか。….続いて、最後、4つ目です。

4.「若いうちは『グリット』だ!」は間違いかも

グリット」という概念をご存知でしょうか。少し前に海外では大流行しておりました。まずざっくり、グリットについて説明したいと思います。

グリットとは、非常に訳が難しい概念なのですが、「忍耐を兼ね備えた情熱」と訳されます。イメージが付きづらいと思いますが、組織心理学者のアダム・グラントは以下のように語っております。

忍耐を兼ね備えていない「情熱」は、ただの好奇心だ。情熱を兼ね備えていない「忍耐」は、単調で退屈だ。忍耐力を兼ね備えた情熱は、グリッドだ。

んで、なんでこれが流行ったのかというと、ある研究が成功者とグリットの関係について調査した結果、

・成功者ほどグリットを持っている!
・グリットを持つ人ほど、年収が高い!

なんてことが明らかになったからです。確かに、忍耐強いだけでなく、物事に対して情熱を持っていれば、1つの分野で卓越しやすいでしょうね。

ここまでだと、「よし、重要なのはグリットだ! 息子にもグリットを身に着けさせよう」と考えてしまいます。何なら、以前からグリットをご存知だった方は上記のように考えているのではないでしょうか。

でも、ちょっと待って下さい! グリットには、しばしば悪影響もあるんですよ。

よく、若者のリスクを省みない意思決定や、向こう見ずなキャリア選択を批判する声が多数挙げられます。しかし、実は、それらの行動も長期的に見ればメリットがある可能性があるんです。

なぜか。それは、「経験」できるからです。

Blame Daividいわく、

若者はリスキーな仕事を選びがちな傾向があるが、これは全く愚かではない。理想的なのだ。若者は、年配の大人より経験がないから、最初はリスキーだが有益な価値が得られる領域にチャレンジすべきだ。俳優、プロアスリート、儲かりそうなスタートアップを立ち上げるなどのチャレンジは、ほとんど成功しない。しかし、潜在的な恩恵はとてつもなく大きい。

とのこと。つまり、たとえ愚かに見えるチャレンジでも、お子さんが望むのなら、進んでサポートすべきなのです。

最後に….

最後に、興味深い研究を1つ紹介して終わりにします。

ハーバード大学のTodd Rose率いる研究チームが、「曲がりくねった人生を歩み、最終的に成功した、もしくは現状の職に最高に満足している人々」を対象に調査をしました。対象者には、ソムリエから動物のトレーナー、ピアノの調律師から助産師、建築士からエンジニアなど多種多様な職を持つ人々が含まれます。

実験の結果、彼らが人生を通して大切にしていたことが明らかになりました。彼らが大切にしてきたのは、普通じゃない道を選ぶということだったそうです。

僕たちは、しばしば成功する人生やキャリアは、1つの真っ直ぐな道であると決めつけてしまいます。ですが、タイガー・ウッズのような直線の人生は、もはや例外なほど珍しい事例です。

若いうちは、様々な世界を学ぶ機会が山程あります。1つのことに固執しすぎず、むしろ軽い気持ちで多くの経験を積むのが吉です。ですので、障害が沢山あり、かつ曲がりくねった人生の道を進むお子さんを、全力でサポートするのが最高の子育てなのだと思います

寄り道をたくさんしたら、周りに置いてかれてしまうのでは?

おそらく、上記のように考える方が多いのではないでしょうか。これに対して、Blame Daividは以下のように語っております。

昨日の自分は、もはや今の自分とは違う。全ての人は、その人のレベルで常に進歩している。だから、誰にも「取り残されている」と感じさせては行けない。誰も自分がどこに向かっているか正確にはわからないから、取り残されているという感覚は全く助けにならない。その代わり、人生の質を高めるために、”実験”の計画を始めよう。

お子さんのクレイジーな実験をサポートしましょう。人生とは、実験の積み重ねなのです。