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『意志力/ウィルパワー』は、使っても消耗しませんよ!

the myth of willpoert

意志力には限界量があり、何かを我慢して意志力を使うと、その度にエネルギーが消耗されてしまいます。そして、一旦全て使い切ってしまうと、あなたの自制心は働くなってしまいます。

ウィルパワーを効率よく使うためにも、無駄な意思決定は減らそう!

なんてアドバイスを、様々なサイトや文献で見かけますが……

これ全部ウソです

意志力/ウィルパワーに対する大きな勘違い

○意志力を節約する方法は存在しないし、ウィルパワーの消耗を防ぐ方法も存在しない!

意志力やウィルパワーには限界があるから、それらを使い尽くしてしまうと自制心が働かなくなり、欲求に負ける…..

確かに、筋が通った理論に見えます。事実、数多くの書籍やサイトで紹介されてきました。

が、これらは既に科学的に間違った主張であることが明らかになっています。では、なぜこのような間違った主張が広まってしまったのでしょうか。

○なぜ、間違った主張が広まってしまったのか?

事の発端は、1990年代。「ウィルパワーは消耗する!」という主張は、スタンフォード大学などの一流大学からお墨付きを貰ったことで、凄まじい速度で普及しました。今では、ビジネス書の定番にもなっております。

それだけ多くの人が誘惑との戦いに苦しんでいたのでしょうね。

が、実は、近年では「意志力は減らないぞ!」という説が爆誕しているんです。

例えば、2014年にマイアミ大学が行った研究が興味深いです。同研究では、「意志力は擦り減るものだぞ!」という主張に関する200件近いデータを再度分析し、以下の結論を出しました。

「意志力は消耗する!」の主張には、出版バイアスがある!

この「出版バイアス」というのは、特定の理論に都合が良い論文だけが専門雑誌に掲載されてしまう現象を意味します。ですので、「ウィルパワーは消耗する!」という理論は、反対意見がほぼ無視されている状況だったということです。

まあ要するに、マイアミ大学は「ウィルパワーの消耗」に関しては、科学的な根拠が見当たらないという指摘をしたわけです。それも、ぐっさりと。

『意志力/ウィルパワー』は、全く”減らない”

上述したマイアミ大学の研究を踏まえ、2016年にはカーティン大学が追試を行いました。

同研究では、2,141人という比較的大規模な参加者を対象とし、再度「意志力は消耗する説は、正しいか否か」ということを検証しました。結果、何が明らかになったのかというと、なんと驚くべきことに、

23の研究所で行われた研究の中で、「意志力/ウィルパワー」が擦り減る現象はどこでも確認されなかった!

だったそうです。意志力やウィルパワーをテーマにしたビジネス書を手掛けている学者にとって、このデータが痛烈なダメージだったことは疑いの余地もありません。

でも、「意志力/ウィルパワー」が消耗してしまった経験があるんだけど….

おそらく、上記のように考える方が多いのではないでしょうか。事実、僕も以前までは同じことを思っておりました。こんな経験↓が山程。

ツライ1日を終え、家に帰宅すると何も行動を起こす気が起きない。やるべきタスクがあるのに、ずるずる先延ばししてしまう。挙句の果てには、体に悪いと分かっていながら不健康食に手を出してしまう…..

似たような経験がある方は多いのではないでしょうか。意志力やウィルパワーが消耗されないのだとしたら、この現象の原因は何なのでしょうか。

それは….

混同している

ウィルパワーや意志力が減ったように”感じる”原因は、

感情と混同している!
肉体的な疲れと混同している!

という2つが挙げられます。まずは、前者から説明します。ここで言う感情とは、退屈や飽きといったモチベーションを削ぐ内容のものから、苛立ちや欲望など幅広いものを指します。これらの感情が1日の終わりになると急に強く感じる理由は、人間の脳は何度も繰り返し現れるものを重要だと判断するからです。結果として、それらの感情に促され、誘惑に負けてしまったり、集中力が削がれた感覚に陥るわけです。決して、意志力やウィルパワーが消耗したからではありません。

後者については、もはや説明は必要ないでしょう。肉体的な疲労を感じている状態では、誘惑と戦う力はおろか、気力すら消え失せてしまいます。ですが、これは決して意志力やウィルパワーが消耗したからではないんです。

ウィルパワー/意志力は、糖分で回復する?

「集中力を保つためには糖分を摂取しろ!」
「血糖値が下がると誘惑に弱くなるから、低GI食品で血糖値を維持しろ!」

こちらも、ビジネス書では定番のアドバイスです。果たしてこれらは正しいのでしょうか。

悲しいかな、答えはNOです。

例えば、2015年に行われたメタ分析では、過去に行われた36件の研究を精査したそうですが、その結果、

血糖値は食事が関係する物事にしか影響しない!

ということが明らかになったそうです。つまり、血糖値が減った後は「甘いスイーツを食べたい!」という欲求には弱くなりますが、「勉強に集中しなくちゃ!」といった食事以外の内容は一切関係がないというわけです。

むしろ、言ってしまえば、糖分の摂取は疲労感を引き起こ可能性があります。